2008年09月09日
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台湾万葉集・正続
我が国固有の文化の一つに短歌がある。
日清戦争の講和条約により、台湾は清国から日本に割譲された。
1895年のことである。
それから1945年まで50年のあいだ、台湾は日本に帰属していた。
その間、十年かけて潅漑用ダムを建設して不毛の湿地帯を沃野に変え、幹線道路や下水を整備して近代都市を構築し、林業・精糖など産業を振興させただけでなく、教育や民政に力を注いで来た。
その日本が敗戦で引き上げてしまい、大陸から蒋介石の国民党が上陸してきた。
1947年に、以前から台湾に住んでいた人達と大陸から乗り込んできた人達の間に悲しい事件が起きた。
2・28事件である。
日本の教育を受けた知識層を中心に多くの人が殺され、行方不明となり、未だにその全容は判らない。
そんな中にあって、公学校時代に教わった短歌を詠み続けている人達である。
1968年に「台北歌壇」を創刊し、1981年に台湾万葉集上巻、1988年に中巻、1993年に下巻が台北で発行された。
それを日本で朝日新聞の「折々のうた」で紹介されたのが機縁で、1994年に集英社から台湾万葉集として刊行され、翌年に続編が発行された。
読んでいると何かがこみ上げてくるが、それを述べるにスペースもない。
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父母の 幸多き日を過ごしたる 淡水の街 淡水の河
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