2008年08月28日
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文献調査の難しさ
今月入手したブルックスの「公式飛行船:1893-1940」は24日のここで書いたように実に詳しいデータが記述されている。
シュヴァルツの飛行船から、ツェッペリン、シュッテ・ランツとドイツのみに止まらず、イギリス、フランス、アメリカの各硬式飛行船の線画側面図、16角形、24角形、28角型、30角形、32角形、36角形など主船体断面形状、生涯飛行回数など他の資料に記述のないデータが満載されている。
飛行船から飛行機の発進実験も1918年に「L35」からDⅢアルバトロス戦闘機の発進に成功した事例から、1937年に航空省技術開発部局長であったウーデットが3月にフォッケウルフで「ヒンデンブルク」にフックオンを試み、4月には6回の試行で4回成功するまで、独、英、米各国の事例が40件以上掲載されている。
実に詳しいが、それだけにウラを取ることが難しいのである。
いま、悩んでいるのはシュッテ・ランツの飛行船の構造材質である。
ブルックスは主構造材質についても形式毎にアルミニューム、Al-Zc合金、ジュラルミン、木製(合板)と註記している。
シュッテ・ランツは軽いことと、ツェッペリンの特許を回避するため、木製(合板)でフレームを作っていたことはよく知られているが、大戦が始まると相互の特許を許容しあうことになり、後期の「SL20」型はジュラルミンであったとする資料もあるが、ブルックスは「SL20」型3隻も木製としているのである。
データもイベントの日時や場所も、出来る限り複数の情報源で確かめるようにしているが、他の文献に滅多に載っていないだけに悩むのである。
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