2008年08月24日
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Brooks著 "Zeppelin: Rigid Airships 1893-1940"
先日入手したこの本は実に中身の濃い書籍である。
特に世界各国で建造された硬式飛行船163隻に関してこれほど具体的データの掲載された書籍は見たことがない。
英米独仏4ヵ国で建造された160〜163隻(英:17隻、米:3隻、独:139〜141隻(ツェッペリン:119、シュッテ・ランツ:20〜22)、仏:1隻(註:シュッテ・ランツのSL18、SL19は未確認))について、写真、線画による側面図、各飛行船毎の飛行回数、主要な飛行船についてはその経歴が掲載されている。
各国で建造された飛行船格納庫についても、英米独仏露各国別に所在地、諸元、用途、利用した飛行船、さらに移設されたものについてはその時期まで記述されている。
世界最初の硬式飛行船「LZ1」を例に項目を挙げると 製造者、建造所、建造隻数、設計者、主構造の材質、設計開始時期、初飛行日時、動力源、ガス容量、全長、最大直径、主フレーム間隔、細長比、ガスセル数、主縦通材本数、軽貨重量、載荷重量、最大燃料搭載量、乗員などである。
プロペラのブレード数までは要目表に入っていないが「LZ1」の設計者はT.コーベルであると思っていたが、この資料でアルミ素材メーカー、ベルク社のテンガーも設計に参画していたことを知った。
ツェッペリン飛行船が十字尾翼になったのは「LZ27」で、それまでは試行錯誤で様々な尾翼(船首翼も含め)を用いていたが、それについても図示解説している。
軍用を含めた各飛行船ごとの飛行回数まで載っているのが驚きである。
見出しの図は同書に掲載されている、コーベルの設計した「LZ1」と、デューアが設計した「LZ2」の側面図である。
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