2008年08月31日

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「台湾人と日本精神」

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この程、蔡焜燦 著「台湾人と日本精神」を買った。

著者は、司馬遼太郎が「街道を行く」シリーズの「台湾紀行」を書いたとき、案内した台湾の実業家である。

3回の取材旅行で案内を務め、司馬遼太郎はその作品の中で、老台北として一章を設けて紹介している。

以前の中国で、何代も住みつづけて中国の上流の文化を身につけている知識人のことを指す「老北京」にならって蔡さんのことを文中で「老台北」と書いている。

本の副題に「日本人よ 胸を張りなさい」とあるように、日本時代の教育や産業振興、都市計画など日本時代に行われた事業とそれを成し遂げた日本人を讃え、日本が引き上げたあと大陸からやって来た外省人がどれほどダメだったかを書いた本である。

その反面、戦後の日本が中華人民共和国と国交を結んで、台湾と国交断絶したことに「戦前の日本の統治に対し、謝罪する必要などありません。戦後の日本政府は、深い絆を持ちながら世界で一番の親日国家である台湾を見捨てました。謝罪すべきはむしろ戦後の日本の外交姿勢です」と当時の田中角栄内閣の政策に手厳しく批判している。

章の構成は次の通りである。

第1章:台湾の恩人・司馬遼太郎
第2章:台湾近代化の礎を築いた日本統治時代
第3章:「二つの祖国」−「戦争」そして「終戦」
第4章:”祖国”の裏切り
第5章:日本人よ胸を張りなさい
第6章:「台湾論」その後


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