2008年06月01日
617爆撃中隊
イギリス映画「Dum Busters」がリメークされているらしい。
その中で「ニガー」という単語が差別語の指摘を受けて問題になっているのである。
隊長ギブソン中佐の愛犬の名前であるが、映画のなかでは作戦上の暗号にもなっているので簡単に変えられないようだ。
私は、やはりリチャド・トッド主演の英アソシエトの映画が好きである。
当時のことであるからモノクロのスタンダードサイズで、スクリーンプロセスも今見ると物足りないと思うが、主役のアブロ・ランカスターのほかデ・ハビランド・モスキートなどの当時の飛行機が出演している。
この映画の邦題「暁の出撃」は戴けない。
米空軍の戦略空軍(Strategic Air Command)の広報映画を「戦略空軍命令」とした誤訳とはまた違う大失敗であった。
この部隊がスキャンプトン基地を出撃したのは午後9時過ぎであり、見ればすぐ判る誤りである。
試写も見ないでいい加減に邦題をつけていることが判る。
原作者ポール・ブリックヒルは、この作戦が実施されたときにドイツの第3空軍捕虜収容所にいたそうだ。
この収容所からの集団脱出を描いた「大脱走」(1950年:英国で出版)は、スティーブ・マックィーン、ジェームズ・ドナルド、リチャード・アッテンボロー、ジェームズ・ガーナー、チャールズ・ブロンソンなどの出演した映画となり、英空軍の義足の戦闘機乗りダグラス・バーダーを描いた作品もケネス・モア主演で映画化されている(これも邦題が「殴り込み戦闘機隊」とやくざ映画のように品がない)。
今週あたり手配している映画「Dum Busters」のDVDが届くのではないかと楽しみである。
見出しの617中隊はこの作戦のために新編された爆撃中隊であるが、その後戦後までその栄誉を称えて存続していた。
写真は生瀬範義画伯描くナイト少尉機である(朝日ソノラマ文庫のP.ブリックヒル著矢嶋由哉訳「暁の出撃」のカバーから転載した)。
"617爆撃中隊"へのコメントはまだありません。