2008年05月23日

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シュヴァーベンのメニュー

LZ10speisekarte.jpg

今月15日に手配したザムトの「ツェッペリンに捧げた我が生涯」は驚くほど早く届いた。

先方からの連絡では6月初旬に届くと知らせてきていたが、昨日手許に届いた。バイエルンを16日に発送されて一週間で届いたのである。

B5よりひとまわり大きいハードカバーにカラーを含め大判の写真がふんだんに載っている。

伯爵が「LZ1」を解体後撤去したあとに建設された水上格納庫や、マンツェル湖岸に建設された格納庫を飛行船から撮影した写真は貴重なものである。

そのなかに「シュヴァーベン(LZ10)」のメニューの写真がある(上掲)。

マンツェルの2つの格納庫とその上を飛翔する飛行船を湖岸側から描いた見事な絵が添えられている。

ヘルマン・ヘッセはDELAGから招待状を送られ、1911年7月23日(日)に「シュヴァーベン」に乗船し、そのとき二言三言エッケナー博士と言葉を交わした。

そのときのことを「素晴らしい空中散歩(Spazierfahrt in der Luft)」という短文に残している。

そのなかで
『ドイツ人は気分が高揚すると発泡ワインを飲むが、飛行船の中でも発泡ワインを飲むことができた。まったく素晴らしいサービスだった。そして、それは非常に良いものであったが、このおまけだけは唯一そぐわない不必要なもののように思えた。』
と書いている。

ワイン通のエッケナーが用意した発泡ワインもヘッセには不必要なものであったらしい。
そのメニューを拡大してみる。

LZ10speisekarte1.jpg

上に料理が数品掲げてある。

最上級ベルーガマロッソル(一人前4マルク)、フォアグラのパイ包み(3マルク)、フランス風肥育鶏(3マルク)、サラダ(1マルク)、ピーチメルバ(3マルク)である。キャビアにうすく塩味をつけたものをマロッソルというのは知らなかった。さすがにキャビアはベルリンの皇帝御用達がロシアから輸入したものと註記がある。

料理の次にはワインリストがあり、独仏のワインが数種類、4〜17マルクで並んでいる。

一番下はリキュールとミネラル水で、クルボアジェ・コニャックやドイツ・コニャック(?)などが並んでおり、コニャックはグラスで、ミネラル水は瓶でそれぞれ1マルクとなっている。

キャビアやコニャックを出すと1時間では済まないと見えて、この頃の遊覧飛行は2時間程度であったと言われている。


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