2007年05月19日
(飛行船:329) 丁亥飛行船紀行(15) ボーデン湖を翔ぶ(2:フリードリッヒスハーフェン近郊)
地表が沈み込んでゆくように、ごく自然に浮き上がった。
それでも規則で、離陸時は全員着席してシートベルトを締めていた。
空中に浮き上がったところで僅かにヒールさせたような気がした。
両舷チルトプロペラのピッチを調整するのであろうか?
やがて動的浮力を得るために僅かにトリムをつけながら上昇をはじめた。
左の大きなシャッターのある建物がZLTの格納庫、その前の小さく白いテントがDZRの乗船受付である。
その後方フリードリッヒスハーフェン市街地の背景にボーデン湖が見える。
近景右手はメッセ・フリードリッヒスハーフェンである。
上昇中なのでトリムはついているが、プロペラのチルト角は上向きから前進に戻している。
左にフリードリッヒスハーフェン空港の滑走路が見えている。
メッセを上空から眺めたが、まだ9時なので人影はない。
人口5万の街にしては大きな展示会場である。
街のむこうにボーデン湖が見えてきた。
フリードリッヒスハーフェンは緑の多い静かな街である。
ボーデン湖周辺ではコンスタンツに次ぐ人口を抱えている。
自分の座席から振り向いて操縦席を見た。
コパイ席に座っているのはキャビン・アテンダントの Sonja Lewis 嬢である。
所定の高度に上がったのか、シートベルトを外して歩き回って良いと言われた。
シートベルトをしていたのは僅か数分間であった。
下に見える集落が箱庭のようである。
この辺りは葡萄畑が多かった。
離陸して4分経った。
小さく縮尺したのよく判らないが、左に飛行場とメッセの一部が見える。
その右にフリードリッヒスハーフェンの街が広がっており、原画にはツェッペリン博物館も写っている。
手前、やや左よりの一角がツェッペリンドルフで通りの名称にツェッペリン関係者の名前が付けられている。
湖岸はランゲナーゲンの辺りで突きだしており、その左奥にリンダウやブレゲンツがある。
ドルニエが巨人飛行艇DoXを建造したのは対岸、スイス・オーストリア国境のアルテンハインである。
写真上端にフリードリッヒスハーフェンの目印であるシュロスキルヒェの塔が見える。
その左手にグラーフ・ツェッペリン・ハウスがある。
手前の木立のなかが市の墓地であり、エッケナー博士らがここで眠っている。
乗客も立ち歩いて写真やビデオを撮り始めた。
私もビデオカメラを持っては来たが結局撮らなかった。
ディジタルカメラとビデオカメラを両方扱うのは無理であるし、ビデオの場合編集して人に見せるとなると、とても片手間では出来ないからである。
インメンシュタットの町はずれのヘルムスドルフには長閑にヨットが繋留されていた。
その近くのキャンプサイトには夥しい数のトレーラーが駐車していた。
ドイツでは自動車や自転車で余暇を楽しむ人が多い。
オートバイは自転車に較べると少数派である。
サッカーだけでなく、乗馬・カヌー・グライダー・熱気球など戸外のスポーツが盛んである。
ここにも小さなヨットハーバーがあった。
湖面は何処を見てもゴミ一つ浮いていない。
ここは湖と言うよりライン川の一部であるという。
我々の船はボーデン湖を斜めに横切ってスイス側のクロイツリンゲンに向かった。
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