2007年05月13日
(飛行船:323) 丁亥飛行船紀行(9) フリードリッヒスハーフェンのツェッペリン博物館(2)
この博物館に造られた「LZ-129:ヒンデンブルク」の実寸模型は片舷のみで、しかも居住区の一部を40mに限定して再現されたものであるが如何にも大きい。
先に挙げたマイバッハ製乗用車の超高級モデルが下に小さく見える。
その上に見える窓がプロムナードデッキの展望窓で、船内両舷にはソファを備えたプロムナードデッキがあり、その中央よりは右舷側がピアノを置いたラウンジやリーディング/ライティングルーム、左舷側は広いダイニングルームになっている。
さらにその内側には4列にツインルームが25配置され、各キャビンには水と湯が配管されていた(就航後、キャビンは増設された)。
その下の層はBデッキと呼ばれ、トイレット、シャワールーム、バー、喫煙室、ギャレー、士官メスルーム、部員メスルームなどが設けられていた。
この復元模型ではラウンジやキャビンが再現されている。
写真で右奥に見えるのは建造時、点検・補修時に用いられた木製足場で、これも当時の状態に再現されている。
左手前のケースの中は当時の建造用格納庫の模型であり、そこにも同一縮尺で足場台車が置かれている。
建造用格納庫の模型である。
窓・梁・桁などが細かく再現され、既述の足場台車も置かれているのが見える。
これはフリードリッヒスハーフェンに移転する前、マンツェル沖の湖上に建設された浮格納庫である。
陸上で造られた部材をこの浮格納庫の中で飛行船に組み立てていた。
1点係留中の飛行船は風で常に向きが変わるので、方向を容易にあわて取り扱えるように浮格納庫が考案されたものである。
階段を昇ると復元された飛行船内部に上がることが出来る。
復元されたラウンジである。
実船では、この右奥にピアノが固定されていた。
これは、ヘリウム船として設計されたがヘリウムの供給が受けられず、浮揚ガスとして水素を用いたために浮力が過大になり、これをコンペンセートするための固定バラストとして搭載されたものである。
同型船「LZ-130:グラーフ・ツェッペリン」の完成は「ヒンデンブルク」の事故のあとで、ヘリウムが充填される筈であったがアメリカが輸出を認めず、これも水素船として完成した。
復元された乗客用キャビンである。
各室に水と湯は供給されるようになったが、キャビンはAデッキ中央部に配置されたため「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」のようにキャビン毎に窓を設けることは出来なかった。
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