2007年05月12日
(飛行船:322) 丁亥飛行船紀行(8) フリードリッヒスハーフェンのツェッペリン博物館(1)
駅前にはバスターミナルがあり、その先は緑地になっており、緑地の南側にはフリードリッヒ通りを隔てて湖畔公園、ヨットハーバーに通じている。
我々の部屋はこの緑地を東から見下ろす位置にあり、正面には郵便局が見える。
その湖畔公園を歩いてフリードリッヒスハーフェン市営のツェッペリン博物館に向かった。
公園を歩き、オープンカフェや土産物屋の前を通って数百mも行くと、遊覧船や連絡船が係船されているのが見えた。
そこにツェッペリン博物館があった。
3階建て、塔屋5階の立派な博物館である。
ゲートの上には「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」が訪問した地名がアルファベット順に記載されている。
観覧中不必要なものを収納しておくロッカー室も用意されていた。
この中にはLZ-129:ヒンデンブルク」居住区部分が復元されている。
しかし、実船は全長240mを越えるので再現された部分は40mのみである。
その大きさを示すパネルが館内に掲げられていた。
さすがに大きい。
ここで復元されていたのは「LZ-129:ヒンデンブルク」のAデッキ・Bデッキの一部、長さにして40m程度の範囲である。
それにしても「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」に較べると雲泥の差である。
ダイニングやラウンジの外に広々としたプロムナードがあり、キャビンには冷水・温水が引かれており、Bデッキにはギャレー、士官ダイニング、部員ダイニング、トイレ、シャワールーム、バー、それに隣接する喫煙室まで設けられていた。
入ったところに黒塗りのセダンが置いてあった。
マイバッハ・ツェッペリンモデルである。
ウィルヘルム・マイバッハはダイムラー社の主任技師としてツェッペリン硬式飛行船第1号「LZ-1」飛行の翌年発売されたメルセデス第1号を開発したが、1909年にダイムラー社を辞め、ツェッペリン飛行船のエンジンを開発するためにマイバッハエンジンの会社を設立したのである。
このツェッペリンモデルは昭和天皇の御料車にもなったダイムラー社のグローサー・メルセデスにも匹敵する超高級車であった。
ラジエーターグリルの中央に誇らしげに ZEPPELIN の文字が見える。
この2枚の写真の天井が僅かに傾斜している部分は「LZ-129:ヒンデンブルク」の復元した船体底部の外形なのである。
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