2007年05月11日
(飛行船:321) 丁亥飛行船紀行(7) メーアスブルク(3)
湖を見ながら食事を楽しんだあと、新城の中を抜けて表に回った。
7世紀に築城された旧城はそのままに、18世紀に新たに建造されたバロック様式の館であり、内部は博物館に使われている。
2階の一角にドルニエ博物館がある。
1884年帰化人の子としてドイツに生まれ、ミュンヒェン工科大学を卒業してツェッペリン飛行船製造に入社したクロード・ドルニエは、そこで飛行船ではなく飛行艇の開発を行っている。
入社後4〜5年で、ツェッペリン飛行船製造にドルニエ部門がつくられ、金属製大型飛行艇を開発した。
ドルニエ部門は拡張され、リンダウにツェッペリン工場が設立された。
ここが後にドルニエ金属工業と改名されフリードリッヒスハーフェンに移転している。
名機「ドルニエ・ヴァル」が開発されたのはこの工場である。
この写真はミュージアムに展示されていた4発版の「スーパー・ヴァル」の模型である。
1929年にはアルテンハインの工場で建造された巨人飛行艇「DoX」が発飛行している。
この年人員搭載世界記録のため乗員10名、乗客150名を乗せて1時間の飛行を行ったが、飛行後精査したところ9名の密航者が乗っていたという逸話がある。
この「DoX」はドイツ航空博物館で永久保存される筈であったが、連合軍の爆撃のため博物館と共に破壊されてしまった。
展示物は大型ソリッドモデルが多かったが、パネルにも珍しい写真が沢山あった。
これはDoXの銘の入ったカップである。
ほかにもポットや皿などが展示してあった。
我々が入館したときに迎えてくれ、川崎造船など日本と関係のあるパネルに連れて行って案内してくれた館長さんと記念写真を撮って握手をして退館した。
駐車場に戻ったときに飛行船がボーデン湖上空を遊覧飛行していた。
いよいよ最終目的地、フリードリッヒスハーフェンに向かう。
ここから半時間程度の距離である。
フリードリッヒスハーフェン駅前広場に面したゼーホテルに着いた。
4月29日14時過ぎであった。
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