2007年03月24日

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クィーン・メリー出発

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1936年3月24日、ジョン・ブラウン社クライドバンク造船所の第534番船として建造されたキュナード社の「クィーン・メリー」がスコットランドの造船所を出て、サウザンプトンに向かった。

1930年に起工された世界で初めて8万総トンを越える巨船の建造工事は資金難から1年後に中断され、キュナードとホワイトスター社の合併を条件に英国政府から貸付金を受けて工事を再開するなど難産であった。

狭く浅いクライド水道をこれほどの巨船が下った例はなく、途中浅瀬に乗り上げたりしながら海への出口であるグリーノックに着いたときは、造船所を出て4時間半が過ぎていた。

同船の後に起工されたフランスの「ノルマンディ」は、既に北大西洋横断記録を更新し、ブルーリボンを誇らしげに掲げていた。

「クィーン・メリー」は最初の大西洋横断では往復ともこの記録に及ばず、ようやくブルーリボンを奪還したのは8月になってからのことである。

しかし彼女がブルーリボンを保持していた期間は短かった。
翌年には「ノルマンディ」に取り戻されてしまったのである。

両船は因縁のライバルであった。
改装により大きさでも世界最大を競い合った。

いま、「クィーン・メリー」はロングビーチでホテルを兼ねた浮かぶ博物館として余生を送っている。


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