2007年01月08日
(飛行船:205) ツェッペリンアルバム(写真:第85回) 写真117〜121 −着陸風景−
[117枚目:重い飛行船の着陸]
重量と浮力の釣り合いが取れていた飛行船は、地上の暖かい空気に包まれると突然重くなる。
それ故、バラスト水を投下して重量を調整しなくてはならない。
レークハーストにおける「LZ-129:ヒンデンブルク」の謎の炎上の直前にもバラスト水を投棄する映像が記録されている。
操縦室ではトリム計で前後の傾斜を注視しつつ、前後方向に分散配置されているバラスト袋のバルブを開けて放出する。
地上支援要員や出迎えの人達はいきなり大量の水を浴びせかけられる危険性があった。
[118枚目:「グラーフ・ツェッペリン」の船尾]
この写真はグラーフ・ツェッペリン」着陸時に船尾を撮影したものである。
既に5つのプロペラは停止しており、地上支援要員や出迎えの人達が飛行船の下に集まっている。
垂直安定板、水平安定板の後端についている方向舵、昇降舵の駆動索取り付けの様子が判る。
[119枚目:着陸直後の飛行船]
ある高度まで飛行船が降りてくると、着陸に備えて地上に待機していたグランドクルーが長さ100mの着陸索か、さらに重要な短い手綱で引き下ろす。
この写真では着陸索に取りついている地上支援要員のほか、司令ゴンドラや船尾エンジンゴンドラのハンドレールに取りついている多くの地上員が見える。
操縦室や航法室の窓から乗組員が身を乗り出して地上の様子を見ている。
[120枚目:後部右舷エンジンゴンドラ]
この写真は後部右舷エンジンゴンドラから折りたたみ式の梯子で主船体のハッチに上ろうとしているところである。
既にエンジンは停止し、二翅のプロペラは止まっている。
エンジンゴンドラ前部の窓からも操機手が上半身を乗り出している。
飛行中、三直でゴンドラに詰めるのも楽な仕事ではなかった筈である。
操縦室からエンジンテレグラフで指示されてマイバッハ550馬力を運転していた。
燃料は主船体から配管で供給されていた。
[121枚目:後部エンジンゴンドラ]
この写真は最後尾の中心線上にある後部エンジンゴンドラをハンドレールと補助用脚立で保持しているところである。
此処だけでもざっと数十人の地上支援要員が飛行船を支えている。
乗客定員20人の飛行船を40人以上の乗務員と200人以上の地上支援要員で運航していたのである。
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