2006年12月19日

*** 当ブログは2014年5月末に引っ越しました…新しい「紺碧の海」はこちらです ***

(飛行船:190) ツェッペリンアルバム(写真:第70回) 写真88 −LZ127 操舵室−

Bild88.jpg
[88枚目:操舵室の方向舵輪と昇降舵輪]

操舵室の右舷から左舷を見た写真である。

右に見える舵輪は方向舵の、左は昇降舵のものである。

昇降舵輪の上に時計状の高度計が見える。

その左には気圧計があり、どちらも飛行船の上昇降下を表示する。

その上の横桁にあるのは浮揚ガスとバラスト水用の索で、飛行船を上昇させるときは昇降舵の操作とともに適切な位置のバラスト水を放出し、降下させるときは17個のガス嚢のいずれかから浮揚ガスである水素を放出させる。

方向舵輪のやや左の窓には自記気圧計が見える。

昇降舵スタンドの位置に吊されているのは検出された浮揚ガスの温度を表示する装置である。
気体は気温により膨張し浮力が変動するので飛行船の操縦にあたっては常に外界の大気圧とガス温度を注視していく必要があった。

水素ガスもバラスト水も容量に限界があり、残量を把握しつつ操船する必要があった。
水素は飛行中に補充することは出来ないが、バラスト水はエンジンの排気から水蒸気を回収してバラストタンクに戻したり、飛行船の大きな表面積に降る雨をホースで導いて溜めたりしていたようである。

Navigation.jpg

この写真はハロルド・ディック著「飛行船の黄金時代:グラーフ・ツェッペリンとヒンデンブルク」に掲載された操舵室の写真である。
この写真で右上に見えるのはエンジンテレグラフである。
方向舵輪の左右にある上下方向の索は主船体を通って舵板に繋がっている。

Comment on "(飛行船:190) ツェッペリンアルバム(写真:第70回) 写真88 −LZ127 操舵室−"

"(飛行船:190) ツェッペリンアルバム(写真:第70回) 写真88 −LZ127 操舵室−"へのコメントはまだありません。