2006年12月13日

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(飛行船:184) ツェッペリンアルバム(写真:第64回) 写真82 −LZ127 充填中のガス嚢−

Bild82.jpg
[82枚目:浮揚ガスを充填中のガス嚢]

この写真は組み上がった飛行船船体内部に持ち込まれたガス嚢を示す。

ガス嚢を引き込んだあと、最初の浮揚ガス水素を充填しているところである。

フレームワークに吊り下げられたガス嚢はフレームワークに吊られた状態で、殆どキール足場の近くまでダラリと下がっている。

ガス嚢の上部が膨らみ始めているのが判る。

このまま浮揚ガスの充填が進めば、水素は空気より軽いのでフレームの頂部から側壁へと広がり、上部の6〜7割の空間を占めるようになる。

船体中央線のやや下を縦通する中央通路より下には燃料であるブラウガスのガス嚢が持ち込まれて燃料ガスが充填される。

世界一周飛行の際、ボーデン湖畔のフリードリッヒスハーフェンからシベリア上空を通って100時間余りかけて11万kmを無着陸で飛ぶことが出来たのは燃料に気化石油ガスを採用したからである。

ブラウガスを消費して出来た空隙には空気が入るが燃料のブラウガスは空気より1割程度重いだけで消費による重量や重心の移動が小さく、燃焼によって出来る水蒸気はバラスト水として利用することも出来た。

バラスト水は乱気流を避けたり、山岳地帯を越える際に放出される。

そこを通過し、もとの高度に下げる際は水素ガスを放出するのである。

雨中を飛行する際は飛行船の広い表面積に降る雨水もバラストタンクに導くホースも備えられていた。

この写真ではよく判らないがキールの近くには数個のガソリンタンクがある。
ガソリンは非常用の予備燃料として一定量搭載されていたようである。

第165回に掲載した「Appendix Ⅳ」の縦断面図で110ステーション近くの船底部にガソリン貯蔵庫が見える。


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