2006年11月17日
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(飛行船:153) ツェッペリンアルバム(写真:第41回) 写真58 −ボーデンゼー号のバラスト袋−
[58枚目:「ボーデンゼー」のバラスト袋]
「LZ-120:ボーデンゼー」の左舷側船首寄りのバラスト袋である。
背景のフレームが右に絞られて行き写真の右外がノーズコーンとなる。
手前にガス嚢を押さえる網が見える。
この袋に300リットルのバラスト水が注入されていた。
下は直接エンベロープから船外に通じている。
ツェッペリンアルバムではこの袋を "Ballasthose" と表現していた。
"Hose" とはズボンのことである。
造り付けのバラストタンクではなくフレームから吊り下げた袋状の容器を用いたのは、微妙なバランスで空中に浮いている飛行船が、何らかの要因で傾斜したときに、自由表面のある船体固定のタンクであればその中で水が移動し、飛行船全体の重心移動を助長して負の復元力となるからである。
バラスト袋の下部に開閉弁があり、操縦席から索を引くとバラスト水が放出される仕掛けになっていた。
飛行船が着陸する前にウェイオフ(重量調整)のためにバラスト水を放出するのは広く知られており、映画「ヒンデンブルク」でも同船がレークハーストでバラストを放出するシーンがある。
自由気球の場合バラストに砂を使う。
袋に詰めたサンドバラストを籠の外に吊り下げておき、緊急上昇が必要なときにこれを投下するのである。
このバラスト袋にヒントにしたのかも知れない。
「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」の写真集にもゴンドラ下のハンドリングレールに砂袋を沢山下げている写真がある。
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