2006年11月13日

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(飛行船:148) ツェッペリンアルバム(写真:第36回) 写真53 −LZ120ボーデンゼー号−

Bild53.jpg
[53枚目:旅客用飛行船「ボーデンゼー」 1919年]

このツェッペリンアルバムもここから第3部「大戦後の飛行船の部」に入る。

この「LZ-120:ボーデンゼー」はツェッペリン伯爵亡き後、後継者のエッケナー博士が第一次世界大戦後の1918年8月に完成させた旅客用飛行船である。

ガス容量2万立方m級と小型ではあったが、アメリカへの賠償のために建造された「LZ-126:ロサンゼルス(ZR-Ⅲ)」や世界一周飛行で有名になった「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」、レークハーストで大惨事を起こした「LZ-129:ヒンデンブルク」の原型となった飛行船である。

最大の特徴は従来吊下式であった操縦用ゴンドラを旅客用ゴンドラと一体化して主船体に造り付けた点である。
そのほかに外観上で目立つ変化は主船体が初期の円筒形からいわゆる流線型になったことである。
この流線型の船体形状と十字尾翼はシュッテ・ランツ型飛行船が先行して採用していたものである。
この頃から第二次大戦中まで「流線型」という言葉が流行っていた。

1919年7月に成立したヴェルサイユ条約で、ドイツでは3万立方m以上の飛行船の建造は禁止されたがそれにも抵触しない小型船であった(後日、長さを10m延長して22500立方mに改造された)。

改造後の要目は長さ130.8m、ガス容量22500立方m、推進機関は260馬力を3基搭載し、速度は毎時127.5km、航続距離2200km、載荷重量11.2tであり、姉妹船の「LZ-121:ノルトシュテルンは長さが130mであるほかは同じである。

乗客定員20名でフリードリッヒスハーフェン・シュターケン(ベルリン)間の定期運航が行われているが、好評で一週間先まで予約が埋まっていたという。
所要時間は6時間であったが30人も乗せて飛んだこともあるようである。

しかし、戦後建造されたこの飛行船も賠償としてイタリアに引き渡され「エスペリア」となり、1919年に完成した同型船「LZ-121:ノルトシュテルン」はフランスに引き取られ「メジテラネ」となった。


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