2006年11月29日
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(飛行船:169) ツェッペリンアルバム( Appendix Ⅶ) 「LZ-127」の横断面
今回は中央横断面である。
「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」の場合、断面は28角形である。
(「LZ-129:ヒンデンブルク」は直径が46.8mと大きいため36角形である。これはリングの1辺となる縦通材間のガーダーの長さを考えて決められたものであろう。)
中心よりやや下、中央通路のレベルで上下に分かれており、上部は浮揚ガス(水素)、下部は燃料のブラウガスのガス嚢となっている。
ブラウガスはヘルマン・ブラウ博士が発明した石油気化ガスである。
エチレン・メチレン・プロピレン・ブチレン・水素・エタンを含み、比重は空気よりやや重い(1.2倍程度)。
長距離飛行で大量に燃料を消費したときも飛行船の重量があまり変わらないのが最大のメリットで、燃焼によって生じる水も回収してバラスト水として活用した。
液体燃料(ガソリン)も積載していたが、燃焼による重量変動が大きいので殆ど使われなかったようである。
「グラーフ・ツェッペリン」の世界周航で、フリードリッヒスハーフェンから無着陸飛行で東京近郊霞ヶ浦に到着した際、ブラウガスは爆発の危険性があるため予めアメリカから送られていた代用のガスが充填されている。
ドイツでもコスト節約のため水素とプロパンを混合した類似のガスを使うこともあった様である。
断面図で中央通路の上に丸く描かれているのはガス圧調整弁である(配置図Ⅳ参照)。
また、そこから頂部に導かれているのはガス排気筒である。
断面の中央底部に見えるのは下部通路であり、その両側に左舷・右舷のエンジンゴンドラが描かれている。
プロペラは後に向いて取り付けられたいわゆる推進式になっている。
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