2006年10月31日
(飛行船:133) ツェッペリンアルバム(写真:第21回) 写真36 −北海偵察中のL11−
[36枚目:北海を偵察飛行する海軍飛行船「L-11」]
海軍飛行船[L-11」はツェッペリンの社内番号「LZ-41」で1915年に建造されている。
アルバムの要目表によると、長さ163.5m、ガス容量31900立方m、載荷重量6200kg、26.7m/秒(時速96km)、上昇限度3200mとなっている。
エンジンは210馬力のマイバッハ・エンジンを4基搭載していた。
前回の「L-9」は試作船の色合いが強く、それをパワーアップした第一次量産型と見るべきであろう。
海軍には同型船が9隻在籍した。何れも1915年の建造である。
このころはフリードリッヒスハーフェンに加えてポツダム、シュパンダウにも工場を建設していた。
同型船は「L-10(LZー40)」、「L-12(LZ-43)」、「L-13(LZ-45)」、「L-14(LZ-46)」、「L-15(LZ-48)」、「L-16(LZ-50)」、「L-17(LZ-53)」、「L-18(LZ-52)」、「L-19(LZ-54)」の各飛行船である。
”L”番号と”LZ”番号の順序が入れ替わってものがあるのは開戦で軍備を急ぐため出来たものから引き渡していたことを示している。
このほかに陸軍に「LZ-72(LZ-42)」、「LZ-74(LZ-44)」、「LZ-77(LZ-47)」、「LZ-79(LZ-49)」、「LZ-81(LZ-51)」、「LZ-85(LZ-55)」、「LZ-86(LZ-56)」、「LZ-87(LZ-57)」、「LZ-88(LZ-58)」、「LZ-90(LZ-60)」、「LZ-93(LZ-63)」の11隻を納入している。
「LZ-90」、「LZ-93」は1916年に引き渡しているがそれ以外は1915年である。
同型船とは言っても個別の主要目を比較すると多少の変動はある。
面白いことに陸軍船「LZ-88」は後に船体を延長して「L-25」として海軍に納入されている。
海軍の飛行船はウィルヘルム2世の国策で英国に対抗するための海軍拡張の一貫として位置づけられており、北海での偵察飛行は重要な任務であった。
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