2006年10月03日

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(飛行船:108) 繋留塔のR101

R101.jpg

大型硬式飛行船の繋留方式には格納庫に収容する方式と繋留塔あるいは繋留柱に繋留する方式がある。

ニューヨーク郊外のレークハースト飛行場には格納庫も繋留塔もあった。
しかしここは気象条件が悪く大きな飛行船を格納庫に入れることに困難を伴うことが多く組立移動式繋留マストなど繋留マストはアメリカで開発・改良されたものが多い。

アメリカやドイツではマストに繋留する場合、接地繋留(地上繋留)が用いられたがイギリスでは空中繋留(浮揚繋留)方式が好んで用いられていたようである。

空中繋留の場合、乗客・乗員は階段あるいはリフトで繋留塔の頂部に上がり渡し板で飛行船に乗り込むことになる。

写真はベッドフォード郊外のカーディントンに接地された繋留塔に繋留された「R101」である。
放牧されている牛と較べると飛行船の大きさが判る。
この塔の上から乗り移るのは怖かったに違いない。

アーチボルト著「ヒンデンブルク」(Wellfleet Press/Madison Press刊)に掲載されていた写真であるが、説明によると1930年9月の撮影になるものである。

「R101」は翌月フランスで墜落炎上してしまったが「R100」は同年7月に44人の乗客を乗せてここからモントリオール(カナダ)まで処女飛行に成功している(本カテゴリ:5回(2005.6.7)参照)。


Comment on "(飛行船:108) 繋留塔のR101"

つくばの切田です。
飛行船のカテゴリーをひもといていたら、15回と16回の間に飛行船概史(1)〜(6)があり、15回以前がリストアップされていません。しかたないのでMonthly ArchivesからR100へ行ってきました。
ついでに飛行船概史(5)で、「日本海軍はLZ75(L37)を希望し、格納庫も霞ヶ関に移設された。」は霞ヶ浦ですね、僕が26年くらい前つくばに引っ越して来たときには霞ヶ浦のほとりにまだ格納庫建ってました。遠くから傍観しただけで、そのときは何の建物か判りませんでしたが巨大な建て屋が水際に建っていたのを覚えています。
先日の日曜、NHKの放送があり、NTがつくばにも飛来していました。家内から、「飛行船の飛行許可は何処が出すのかしら?」と質問があり、答えられませんでした。天候で予定通りに飛べなかった時を心配しているようです。日本での飛行船の飛行の話をまとめて取り上げて教えて下さい。

切田さん、こんばんは

「飛行船概史(5)」のミスタイプ、ご指摘ありがとうございます。
時々見ているのですが1年以上前のもので気がつきませんでした(笑)。

飛行船は航空法の適用を受けます。
同法では「人が乗って航空の用に供することの出来る機器」を航空機と規定している様です。
従って飛行船は耐空検査に合格しなければ運航出来ず、航空従事者として正規の資格を持ったものでなければ操縦できないことになっています。

飛行船は船と同じで風によって振れ廻るので、空港を利用するときは(狭い日本では)制限表面に抵触するので非常に難しいと聞いた覚えがあります。

埋立地のような広い空間で離着陸することは出来そうですが空港では定期便/不定期便航空機の運航の障害になるのでなかなか難しいようです。

この辺りのことは専門家が調査報告をしておられるので私のような門外漢が出る幕はありません(笑)。

[PS]
飛行船のエンジンが飛行中に停止した場合は自由気球と同じような状況になるので、アメリカでは自由気球のライセンスがなければ飛行船の操縦資格は付与されないと言うことです。