2006年06月19日
(飛行船:48) 『超大型旅客用飛行船の黄金時代』 まえがき(1)
前回紹介した書籍のまえがきを紹介する。
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大型硬式飛行船の時代が過去のものとして置き去られようとしているとき、魅惑的な飛行の時代の顕著な姿を身近な経験として大型飛行船のエンジニアリング設計・建造・運用をきちんと記録することが非常に明確になってきた。
1934年から38年までの期間は「グラーフ・ツェッペリン」がドイツから南大西洋を渡ってリオ・デ・ジャネイロまで定常運行計画に従って旅客運送飛行を行い「ヒンデンブルク」がドイツから南大西洋を渡ってリオまでの無着陸飛行と同じように、計画に従った最初の北大西洋横断旅客運送を行っていた。
2隻の巨大な飛行船の運航が成功裏に行われたあと「ヒンデンブルク」の悲劇的な事故が起きた。
その結果「ヒンデンブルク」の姉妹船が、水素の代わりにヘリウムを用いるように改造され、ヘリウムの貯蔵と清浄に必要な対策が施された。
その後、北大西洋を横断してヨーロッパと合衆国を往復する豪華で快適に旅客を運ぶために設計された4隻の大型飛行船隊のために運用・ドッキングの機能を向上させる計画が立てられた。
このまたとない機会に若者として参画することは幸運であった。
私はマサチューセッツ工科大学の学位を持ち、気球と軟式飛行船の操縦免許と硬式飛行船「アクロン」「メーコン」の設計実務とエンジニアリングに関する数年の経験によって難関のツェッペリン飛行船製造会社に従事する事が出来た。
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冒頭の写真はささやかなコレクションのなかの絵葉書である。
写っているのはツェッペリン飛行船製造会社と「LZ-127:グラーフ・ツェッペリン」である。
全長237mに近い船体はさすがに大きい。
垂直尾翼に鉤十字のマークをつけているので1933年以降の撮影である。
裏には「ツェッペリン飛行船製造会社写真課」と小さな字で印刷され「見学記念:ツェッペリン飛行船建造所」という楕円のスタンプが押印されている。
日付は入っていないようである。
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