2006年06月18日

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(飛行船:47) 『超大型旅客用飛行船の黄金時代』

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素晴らしい本を入手した。

ペーパーバックであるが書名は『超大型旅客用飛行船の黄金時代:「グラーフ・ツェッペリン」と「ヒンデンブルク」』という。

版元はツェッペリン博物館ではなくスミソニアン協会で、言語はドイツ語ではなく英語で、著者はドイツ人ではなくアメリカ人2人の共著である。

しかし、ただのアメリカ人ではない。
著者紹介の欄には「ハロルド G.ディック(1907〜1997)は旅客用飛行船で22回大西洋を横断した唯一のアメリカ人で、Lighter-Than-Air Society の名誉終身会員であった。航空史家ダグラス H.ロビンソンは数冊の本を執筆している。」として代表的著書が挙げられている。

裏表紙には次のように紹介されている。
「彼が1934年から38年にかけてドイツのツェッペリン社で5年間にわたって収集した広範囲な写真・メモ・日誌・レポート・記録データ・マニュアルによって、ハロルド G.ディックは2隻の超大型ツェッペリン飛行船の物語を述べている。
ドイツの秘密主義(特にナチの時期に顕著であった)の状況下におけるディックの資料と写真の蓄積は尋常ではなかった。
彼のオリジナルな写真と詳細な観察、大型硬式飛行船の飛行と運用はこの時期の基本的資料として貴重である。」

写真や図版が豊富で、これをさらに高度な印刷技術で再現出来なかったものかと惜しまれる。
LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」の28角断面、LZ-129「ヒンデンブルク」の36角断面のそれぞれの一般配置図、建造中の写真(特にヒンデンブルクのAデッキ、Bデッキの組立状況)など貴重な写真・図面が豊富な上に、数フライトについて乗員・乗客の手荷物、郵便物、バラスト水に至る全備重量がkg単位で掲載されるなど貴重な内容に満ちている。

そればかりではなく、米国で建造された「アクロン」との詳細比較、第3三等航海士、四等機関士、三等セールメーカーに至る乗組員の服装・職務内容などを記述した乗組員用マニュアル、用語解説などの付録も貴重である。

表紙も良い。
フリードリッヒスハーフェンの格納庫から曳き引き出された「ヒンデンブルク」と、上空を往く「グラーフ・ツェッペリン」を見事に捉えた良い写真である。

何らかの形で紹介しようと思っている。


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