2006年06月15日

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(飛行船:46) 飛行船の着陸

LZ127landing.jpg

前回、当地における「ツェッペリンNT」(JA101Z) の着陸の様子を掲載したが、LZ127「GRAF ZEPPELIN」の着陸時を撮影した絵葉書があるのでこれをご紹介する。

先日の「ツェッペリンNT」を見て、その大きさに驚いた人も居るようであるがLZ127「グラーフ・ツェッペリン」の全長は3倍を越え、240m近くもあった。
体積比でいうと20倍を越える。
「ツェッペリンNT」の大きさを表すとき、ボーイング747(ジャンボ)と比較されることが多いが「グラーフ・ツェッペリン」はその当時の大西洋横断航路の定期旅客船と対比されていた。

従って離着陸時の取り扱いが大変であったであろうことは想像に難くない。

気嚢が裂けるなどの緊急事態に備えて気球や飛行船はバラストを積む。
ポケット英和辞典などで "ballast" を引くと「気球の砂袋、船の底荷、砂利」などと載っている。

気球の場合、地上状態で大きな砂袋をゴンドラの下に吊り下げていて、離陸時にもその幾つかを投下して重量を軽くして浮き上がっていた。
但し、大部分は浮力の不足する時に切り落として危機を脱するために吊ったまま飛行する。
飛行船は気球に推進装置をつけたものだから、LZ127「グラーフ・ツェッペリン」も当初はゴンドラに沢山砂袋のバラストを下げていた(下図参照)。

LZ127sandballast.jpg

この写真は中央公論社刊、柘植久慶著「ノスタルジック写真集:ツェッペリン飛行船」(1998年初版)から転載したものである。
食料品の積み込み状況を示すものであるが、ゴンドラの下に無数の砂袋が吊られているのが判る。

試行錯誤の結果、船体内部にバラストタンクを設け注排水する方式に変えたものと思われる。

1937年5月6日、悲劇的爆発をおこしたLZ129「ヒンデンブルク」の事故は偶然取材中のニュースフィルムに収められたが、この映像にも繋留直前300kgのバラスト水が放出される状況が残されている。

Hindenburg_Movie.jpg

この画像はユニバーサル映画「ヒンデンブルグ」を映画館で上映中に撮影したものである。


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