2006年06月12日

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エーゲ海クルーズ(19) 船内スナップ(1)

Sundeck1.jpg

23日(火)はベニスに向かってアドリア海を終日航行した。
このクルーズで最初で最後の航行日である。

「クリスタル・シンフォニー」の船内スナップを紹介することにする。

まずは外回りから・・・。
上の写真はサンデッキ前方である。

マストではクリスタル・クルーズの親会社日本郵船の「二引き」のマークが目を引く。
クリスタル・クルーズのファンネルマークはシーホースであり、ファンネル両側に2匹のタツノオトシゴを向かい合わせにした図柄で表示されているので二引きはここに描かれている。

キクラデス諸島のサントリーニを走っているのでギリシャに敬意を表してその国旗を掲げている。

展望ラウンジ「パームコート」の上にあたる。
画面右のバスタオルを羽織っている人の横に低い角錐型のものが見えるのは明かり取りであり、あの下にはこのラウンジの名前の由来である棕櫚が植えてある。

その後の透明な風除けの後はゴルフでは練習をしているのを見かけることがある。

デッキチェアは毎朝並べられ、バスタオルは常に用意されている。
最近はTVの衛星放送や電子メールのために通信衛星のアンテナが増設されている。

寄港地が近くなると入港風景を見ようとする人が詰めかけるところである。

NavigationControl1.jpg

操船船橋はパームコートの1層下である。
洋上を航行中は当直の航海士と操舵手が船橋で操船するが、最近の船はオートパイロットが操舵してくれるし、船位(海図上の本船の位置。六分儀で星や太陽を観測して位置を出すのは大変だった。)もGPSで自動的にプロットしてくれるのでその意味では楽になった。
但し、入港・出港の時は漁船や作業船も居るし、航路を外れたら座礁もするのでガラス窓越しにのほほんとはしていられない。

このため、ブリッジの両ウィングには操船制御盤があり、航行中は雨よけのカバーが掛けてあるが入港前にこれを撤去してここで操船する。

以前は船長や航海士は舵輪やレバーに触れることなく「号令」によって操舵手が操作していた。
いまはバウスラスターやアジポッドなどでデリケートな操船を行うのでキャプテンが自身でジョイスティックなどを操作する。

しかし、数万トンの塊は慣性が大きく舵を切ってから実際に方向が変わるまでに数秒から十数秒掛かり素人に真似は出来ない。

Foredeck1.jpg

プロムナードデッキ最前部は非番の乗組員のためのスペースである。

錨を巻き上げるウィンドラスやフェアリーダーはこの一層下の6デッキにある。

中心線上に固定されているのは本船の予備主錨で、その両脇にプロペラのブレードが一枚ずつボルトで固定されている。
以前の船ではプロペラは一体で鋳造されていたので予備推進器を搭載していたが、いまは可変ピッチになったためブレードを2枚載せている。

障害物を叩いて推進器翼が折れたり曲がったりしても2枚予備を持っておけば近くの造船所に入渠して取り替えれば良い。

奥にしまい込んであればいざというときにデッキを切り開けなければならないが、ここならばクレーンで巻き上げることが出来る。

この写真の一番前で一人前方の海を眺めているが、数ヶ月乗りっぱなしなので故郷や家族を思っているのかもしれない。
このプラットフォームを「チーフ・オフィサーズ・プラットフォーム」と呼ぶ。

離岸・接岸作業時には一等航海士がここに立って操船の指揮を執るからである。
ちなみに二航は船尾端、船長と三航の配置は船橋である。

客船では乗組員のためのメスルーム(食堂)や売店・バーなどもあり、乗組員のパーティも行われる。

Seahorsepool1.jpg

この船にはプールが2つある。
このシーホースプールと、スライド式天蓋のあるネプチューンプールである。

白人は日光浴が好きである。
少しくらい寒くても水着になって日光浴をする。
直射日光に長時間皮膚を曝すのは良くないと言われているが、最近のようにオゾンホールの危機が叫ばれてからもリドデッキはいつも賑わっている。

客船の水泳プールのことをリドと呼び、そのプールのある甲板をリドデッキと言う。

次の寄港地ベニスの近くにリドという細長い島がある。
その島の別荘のプールやプライベートビーチにちなんで客船の水泳プールをリドと呼ぶようになった。
最初にプールを造りリドと言ったのはイタリアラインのブルーリボンホルダー「Rex」ではないかと思う。
「Rex」では新造時、プールのまわりに本物の砂を撒いたという。

ライナー時代には「飛鳥」のようにリドは船尾に配置されていたが、最近のように船体長さ一杯に上部構造を積み上げるようになって全通最上甲板に配置されることが多くなった。
私はまっすぐに延びるウェーキが眺められる船尾型の方が好きである。

PoolsideStage1.jpg

ベニス入港前はプールサイドのステージで演奏が行われていた。

サンデッキには人が沢山上がっており、マストにはイタリアの国旗と信号旗「H(水先人乗船中)」が揚がっている。

PromenadeDk1.jpg

プロムナードデッキである。
日本語では遊歩甲板(ゆうほこうはん)である。
デッキも手摺りもこまめに補修している。

上部構造内部のデッキは1m近く段差がつけてあるので窓の視野が妨げられることもなく快適である。
この船はバリアフリー度(?)が高く僚船「クリスタル・セレニティ」とともに最高級の評価を得ている。
ここにも車椅子用のスロープが設けられている。

PromenadeDk2.jpg

船尾近くにはクッション付きのベンチもある。
何も考えずに海を眺めていたり、読書したりするにはちょうど良い。
ただ、ここに座ると手摺りの木部がちょうど水平線に重なるのでちょっと高くした方が良いかも知れない。
水平線を眺めるのならパームコートに行けば良いのかな・・
デッキの白線はシャッフルボードのコートである。


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