2006年06月08日
エーゲ海クルーズ(16) クシャダシ(2:エフェソス)
我々の申し込んだショア・エキスカーションはクシャダシで行われたオプショナル・ツァーの6番目「エフェソスでの夕暮れコンサート」である。
午後6時15分に埠頭に集合して2台のバスに乗って世界遺産エフェソスの古代都市の遺跡でクラシック・コンサートを聴きに出発した。
考古学遺跡は通常、夜間は一般公開されていないが特に開けてもらうことが出来たと案内に書かれていた。
バスはクシャダシの街から海岸沿いに30分ほど走り遺跡の入口に着いた。
日没が午後8時20分だから辺りはまだ明るい。
団体用の改札を通って遺跡に入る。
並木道は古代の港通りからスタジアムに通じる道だったらしい。
真っ赤なヒナゲシが群れて咲いていた。
クシャダシの街からここに来る途中にも沢山咲いていた。
翌日行ったサントリーニでもよく見かけので土地によくあうのであろう。
ただ、他の色はなく深紅のものばかりであった。
ほどなく古代の港通りへ出た。
正面にエフェソスの大劇場が近づいてきた。
上半身裸の親子は古代人ではない。
遺跡を歩いて汗をかいたのであろう。
彼も古代人ではない。
要所々々に我々を迎えるために古代の衣装つけた若者が立ってくれているのである。
大理石通りに来た。
ここにも両脇にお迎えが歓迎してくれている。
これが遺跡の写真集などに載っているセルシウスの図書館の遺跡である。
紀元2世紀初頭に造られたというこの遺跡で弦楽五重奏が演奏されるのである。
階段下の広間には白布で覆われたテーブルと椅子が用意され、図書館の階段上には演奏用の椅子と譜面台が用意されている。
入口には、やはり古代の衣装に身を包んだ乙女達が一人一人に果物やワインを手渡して歓迎してくれる。
心憎い演出である。
図書館の柱列の後から傾いた陽光が射し、近くの山から鳥の鳴き声が聞こえていた。
向かって右の「マテウスとミスリアダテスの門」の陰にケータリングワゴンが見えた。
我々の到着時間にあわせてテーブルセッティングを行ったものらしい。
テーブルには花とオリーブと果物、それにカナッペとつまみが用意されており、ナイフとフォークが揃えられている。
また、今日のコンサートのプログラムがトルコらしい色彩とデザインで置かれていた。
日も傾き良い時間になってきた。
あとは室内楽団を迎えるばかりである。
やがて司会から楽団と曲目が紹介された。
いよいよコンサートの始まりである。
演奏はイズミール弦楽五重奏団で、曲目はビバルディ、ボッケリーニからモーツァルト、ブラームスまで多彩であったが、殆ど馴染みのある曲ばかりであった。
プログラムにはエフェソスでクリスタル・クルーズのために開催された夕暮れコンサートとある。
最後の曲もアンコール曲もブラームスのハンガリア舞曲であった。
演奏も熱が入っていたし、一番得意な曲であろうと思われた。
譜面台に照明の用意もなくちょっと心配したがちょうど良い時間に終わった。
素晴らしい演奏を聴いて9時頃本船に戻った。
「クリスタル・シンフォニー」は21日の午後10時にクシャダシを出港して、最後の寄港地サントリーニ島(ギリシャ)のフィラに向かった。
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