2006年05月10日
(飛行船:43) LZ130(グラーフ・ツェッペリン)
この切手も39〜42回と同じシリーズのコンゴの切手である。
LZ130はLZ129「ヒンデンブルク」と同型である。
船名は「グラーフ・ツェッペリン」と名付けられた。
LZ127と同じ名前である。
紛らわしいので「グラーフ・ツェッペリンⅡ」などと表記されることもある。
一見してLZ127などよりずんぐりとした印象を与える。
それもその筈で、初めて浮揚気体としてヘリウムガスを充填する前提で基本計画されたものである。
ヘリウムは最も軽い不活性ガスであるが、浮揚力は水素の93%程度であるのでガス容量を増やさなければならなかった。
その上、LZ127では乗客の区画はゴンドラの操縦室の後方に設けられていたが、新型では主船体部分に2層のデッキを設け、ここにキャビンだけでなくダイニングルームやラウンジ、スモーキングルームまで設けたので見た目がずっと太くなってしまった。
当時ヘリウムはアメリカが生産を開始したばかりでドイツなど他国に輸出を禁じていたがツェッペリン飛行船会社はその輸入を見込んで建造したのである。
第一次大戦の賠償としてLZ126がアメリカに引き渡されZRⅢ「ロスアンゼルス」となったが、このときもアメリカはヘリウムの供給を拒否していた。
このため水素ガスを充填してドイツ人乗組員の手で大西洋を渡りレークハーストでヘリウムガスに入れ換えられた。
この時点でヘリウムガスのコストは水素の数十倍と言われていた。
結局、LZ129「ヒンデンブルク」にはヘリウムが供給されず従来通り水素が充填された。
この結果、初期計画時より浮揚力が増大し、重量をバランスさせるためにラウンジにピアノが搭載されたのである。
レークハーストで「ヒンデンブルク」が爆発炎上したため、同型のLZ130「グラーフ・ツェッペリン」にはヘリウムが供給された。
しかし「ヒンデンブルク」事故の衝撃は大きく、殆ど活躍らしい活躍もせずLZ130は解体されてしまった。
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