2006年04月29日
(飛行艇の時代:53) 飛行艇の客室(B314の場合)
B314はPAAの提案要求に対応して提示された大型渡洋飛行艇の計画書に基づいて開発された。
特記のない写真はイカロス出版から1994年に発行されたMOOK「ボーイング旅客機」から転載したものである。
おそらくボーイング社かPAAがPRのためにモデルを使って撮影したものであろう。
上の写真ではテーブルクロスを掛けて食事のセットが載せられているが、この艇には4つに分かれたコンパートメントのほかにダイニング、カクテルラウンジ、男女別のトイレット兼着替え室などがあった。
当初82席、夜間はスリーピングコンパートメントに40人収容する仕様であったが後で74席(夜間50席)に改められた。
長距離の場合は30人程度までしか乗せなかったようである。
幅が広いので座席に3人掛けをしてもゆったりしている。
夜間は着水してベッドメーキングをして休んだ。
この写真は同じ出版社から昨年発行された帆足孝治著「飛行艇の時代(のりもの選書19)」から転載した。
既出の写真が多いので今回はほかの写真を追加掲載する。
B-314の操縦席である。
計器類がビックリするほどシンプルである。
4基のエンジンのスロットルレバーも回転計も出力表示も燃料タンクのメーター類も航空機関士席にあったらしい。
(コックピットクルーは、パイロット3名のほかはナビゲーター・機関士・無線士各1名で、このほか下の客室にパーサー・スチュワード(デス?)が4名配員されていた)
PAAが取得した12艇のB-314のうち、3艇がBOACに譲渡された。
譲渡された3艇には B で始まる愛称がつけられた。
譲渡された3艇の登録符字と譲渡後の登録符字、艇名は次の通りである。
(PAA時代のクリッパー名は判らない)
NC18607 → G-AGBZ Bristol
NC18608 → G-AGGA Berwick
NC18610 → G-AGCB Bangor
上の写真はユニオンジャックの艇首寄りのBOACトレードマークの上に BERWICK と艇名が読めるが、下の写真は判読出来ない。
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