2006年04月25日
(船舶の絵葉書:38) スターテンダム(Ⅱ)
ホランド・アメリカ・ライン(HAL)の「スターテンダム」は5代続いている受け継がれている船名である。
初代「スターテンダム」はベルファストのハーランド&ウォルフ造船所で1898年に建造された1本煙突船で、オランダで初めて一万総トンを越えた客船であった。
この絵葉書は幻の2代目「スターテンダム」(32234総トン)である。
2代目もハーランド&ウォルフでHAL向けに建造され1914年に進水したが、世界大戦のためイギリスの兵員輸送船「Justicia」として完成し、ホワイトスター社が運航にあたった。
1917年7月19日にU-64、翌日U-124に雷撃され沈没した。
従ってHALのために運航されたことのない悲運の船であった。
しかしながらHALのファンネルマークの絵葉書が3種類以上発行されている。
このオランダで印刷された絵葉書の原画は、ロッテルダムのプリンス・ヘンドリック海事博物館所蔵の油絵である。
C. van der Zwalm が1914年に描いた「スターテンダム(Ⅱ)」の完成予想図を Joop Bergsma が撮影し、アムステルダムのアート・アンリミテッドが絵葉書として発行したものである。
ちなみに「スターテンダム(Ⅲ)」は同じくハーランド&ウォルフで1929年に建造された。
29511総トンの3本煙突船で、1940年5月に爆撃され炎上している。
「スターテンダム(Ⅳ)」は1957年にオランダで建造された。
24294総トンの1本煙突船である。
1981年にパケット・クルーズ(パナマ)に売船された。
「スターテンダム(Ⅴ)」は1993年にイタリアのフィンカンティエリで建造された55451総トンのクルーズ船で現在運航されている。
この絵を見ると、タグボートや通船の煙突にもHALのファンネルマークが描かれている。
ロッテルダム港であろうか。
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