2006年03月13日
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(飛行船:35)ベルリンのヒンデンブルク
31〜34回の一連のシリーズ切手の一枚であるが、描かれているのはLZ-129「ヒンデンブルク」である。
LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」はゴンドラ部分に僅か10室のツインキャビンを設けた、いわば試作船のような飛行船であったがこの「ヒンデンブルク」は主船体内部に2層のデッキを設け、そこに25室(後に増設された)のツインキャビンやグランドピアノを載せた本格的長距離旅客用飛行船であった。
もっとも、グランドピアノはヘリウム船として計画されたLZ-129に生産国のアメリカがヘリウムの供給を拒否したため水素飛行船として運用することになり、その浮力をコンペンセートするために固定バラスト代わりに搭載されたものである。
同型船のLZ-130「グラーフ・ツェッペリン(Ⅱ)」にはレークハーストで「ヒンデンブルク」が爆発炎上した後にヘリウムが供給された。
ナチ政権は「ヒンデンブルク」を宣伝媒体として活用した。
この切手にはブランデンブルク門の上空を飛翔する「ヒンデンブルク」が描かれているが、1936年にベルリンで開催されたオリンピックで大いに宣伝に使っている。
伯爵の肖像の下のスタンプには、1936年飛行船ヒンデンブルクのオリンピヤード飛行と言う文字が見える。
この絵には描かれていないが、垂直尾翼に大きな鈎十字が描かれた。
ナチの宣伝相ゲッペルスが尾翼いっぱいの40mのハーケンクロイツを描けと言う要求にエッケナーはやや小さなマークにすることで渋々承諾した。
ゲッペルスはLZ-129を「ヒットラー」と名付けたがったがエッケナーが拒否したと言う逸話もある。
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