2005年12月09日
(客船のメニュー:20) Cunerd:Queen Mary(1939/5/12)
このメニューは、乗船したときに記念に貰ったものでも、譲って頂いたコレクションでもない。
2004年にイギリスの Tempus Publishing Ltd から刊行された Janette McCutcheon著「Cunard a photographic history」から転載したものである。
バッキンガム宮殿を背景に戴冠式の行進が描かれている。
この本の注記によれば、第二次大戦(9月1日にナチスドイツがポーランドに侵攻)直前の1939年5月に英国王ジョージ5世と王妃クィーン・エリザベスが「クィーン・メリー」でカナダと合衆国を旅行されたときのメニューであると記述されている。
しかし、1936年に兄エドワード8世が米国のシンプソン夫人と結婚するために在位数ヶ月で退位したあと即位したのはジョージ6世である。
第一次大戦のユトランド海戦では海軍提督としてイギリス艦隊を指揮している。
ジョージ6世は、グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国の国王とインド皇帝を兼ねていた。
1947年にインドとパキスタンが独立するまでインドはイギリスの植民地インド帝国であった。
ジョージ5世は上記兄弟の父君で、その王妃がクィーン・メリーであった。
キュナード社は、伝統に従いその船名に「・・・ia」で終わる固有名詞を付けていた。
ジョン・ブラウン社のクライドバンク造船所で建造中の534番船がその巨大な船体を表していた頃、キュナード社の会長が王宮を訪ねジョージ5世陛下に「このたび新造致しました世界最大の客船に栄光ある女王のお名前を付けさせて頂きたいと存じます。」と申し上げたところ、英国王は「それは、それは、王妃も喜ぶであろう。」と言われた。
それでこの船は「クィーン・メリー」と名付けられたのであるが、キュナードが予定していた船名は「Victoria」であった。
原典の注記のなかで王妃クィーン・エリザベスはその通りである。
従ってジョージ6世崩御の後即位した現英国女王は、生母の名を継承してエリザベス2世と呼ばれている。
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