2005年11月25日

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WIG:船と飛行機の間

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WIG(Wing in Ground Effect)とかWISES(Wing-In-Surface-Effect-Ship)という乗り物がある。
過去にも月刊誌「世界の艦船」1985年10月号(通巻356号)、廃刊になった月刊誌「船の科学」1997年6月号などに取りあげられていたが、日本造船学会(現:日本船舶海洋工学会)の最後の講演会論文集(2004年11月刊)にも鳥取大学から「自航模型試験による前翼型表面効果翼船の特性評価」という論文が発表されている。

船舶を高速化するために水中翼船やACV(Air Cushion Vehicle:ホバークラフトは商品名)が考案され実用化されてきたが、WIGは翼の浮力で飛行する航空機が表面に接近して飛行するときに地表効果により揚力が増大することを利用するものである。

このアイデアはLZ-127「グラーフ・ツェッペリン」が世界一周飛行を行い、「ブレーメン」が処女航海でカタパルトから郵便機を発信させた1929年に、ルフトハンザが航空郵便用のドルニエ飛行艇で大西洋横断飛行を行ったときに浮かび上がったと言われている。
ドルニエの飛行艇を海面上数フィートで航行させて航続距離の50%アップを試みたのである。
この試験飛行から、少ない発動機出力(=低燃費)でエネルギー効率の良いWIGを目指した開発が始まった。

1981年に試作されたドイツのヨルクⅣ型は長さ11m幅5mの4人乗りで自動車用エンジンで推進式空中プロペラを駆動し巡航速度127km/時で4時間航行したという。

米国のロッキード社大型艇を開発した模様であるが詳細は不明である。

ロシアは1960年代から各種WIGを開発しているが、カスピ海のモンスターことエクラノプラン(Ekranoplan)は長さ91m翼幅49mの化け物のような乗り物である。
最近は食玩にもなっているようである。

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