2005年10月14日

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(飛行艇の時代:32) ベトナムのFDC

FDCHydroplane.jpg

ハノイで1987年9月4日に開催されたHAFNIA’87(国際切手展)記念切手のFDCである。

このとき発行された切手は小型シートを含め8種類あるが、今回は4種類貼付してあるものを紹介する。

一番左の切手は、ドルニエ(独)の双発長距離飛行艇「Do-18」である。
長距離飛行艇「Do-18E」「Do-18F」のほか、長距離偵察型の「Do-18D」「Do-18L」、探索救難型の「Do-18G」なども製作されている。
超大型の「Do-X」と同様に翼端に小型フロートはなく、艇体中央に張り出したスポンソンで水面上の安定を図っている。

中央の艇体はショート(英)の「サンダーランド」である。
この艇は「エンパイア」をベースに開発された哨戒用の軍用艇であり、民間型は「サンドリンガム」と言う。
但し、BOACなどで「サンダーランド」の武装を撤去した艇が定期便に使われていたこともある。

右上の艇はチェトベリコフ(露)の「ARK-3」である。
1936年に試作艇2艇が完成し、続いて追加試作5艇が生産されたがさしたる活躍もせず忘れられてしまった。
構造上の欠陥とも、水上性能の不備とも言われている。
寒冷地むけの仕様で、偵察・哨戒・輸送などを狙ったものである。
ベトナムだから、英米独の飛行艇に加えてロシアの艇を取りあげたのであろう。

右下はコンベア(米)の「カタリナ」である。
米国では一般に「PBY(ピー・ビー・ワイ)」と呼んでいる。
このカラーリングは探索救難用であろう。
米国やカナダでは未だに消防艇にも使われている。

我が国では硬式飛行船こそ製作されなかったが、世界水準を抜く飛行艇や歴史に残る客船が幾つもあるのに、これらを描いた切手は少ない。

日本切手の印刷技術ですばらしい切手を発行して欲しいと思うのは私だけだろうか?

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