2005年09月27日
9月27日
歴史上、この日に関連する交通・運輸関係の事柄を2件取り上げる。
一つはスティーブンソンの蒸気機関車運行開始である。
1825年のこの日、世界最初の蒸気機関車による鉄道が開通した。
イングランド北部ダーラム州のストックトンオンティーズ・ダーリントン間26マイル(約40km)にスチーブンソンの発明した蒸気機関車「ロコモーション」に曳かれた列車が運行開始したのである。
列車は石炭を運ぶための無蓋貨車12両と客車1両の編成であったという。
それまでナローボートで運河を運ばれていた石炭をティーズ河畔のストックトンに運ぶことが主たる目的であったので殆どの乗客は無蓋の石炭貨車に乗ったと言われている。
この運行の成功が、工業都市マンチェスターと港湾都市リバプールを結ぶ鉄道開設につながったのである。
もう一つはキュナードの「クィーン・エリザベス」進水である。
スコットランドの大都市グラスゴー近郊のクライドバンクのジョン・ブラウン造船所で、当時世界最大の客船「クィーン・エリザベス」が進水した。
1938年のことであった。
総トン数83674トンの巨船は、同じキュナードの「クィーン・メリー」より、フランスC.G.T.の「ノルマンディ」より大きく、もうこれ以上大きい客船が建造されることはないと長い間信じられてきた。
事実、これを越える大きさの船が出現したのは半世紀以上後のことである。
ジェット旅客機に客を奪われて北大西洋横断航路から身をひいた「クィーン・エリザベス」は1970年にC.Y.トンに売却された。
「シーワイズ・ユニバーシティ」と改名され、香港で改装工事中に火災を発生し沈没し、そこでスクラップされた。
別の名前で2度目の勤めを果たすことを女王のプライドが許さなかったのだろうか?
写真はジョン・ブラウン造船所の船台上で外舷の塗装も終わり、進水を待つばかりの「クィーン・エリザベス」である。
David L.Williams著:「Glory Days:Cunard」(Ian Allan刊)から転載した。
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