2005年07月27日
(飛行船:13) 「グラーフ・ツェッペリン」で郵送された絵はがき!
このほど、珍しい絵はがきを入手した。
LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」が、初めて大西洋を横断したときに搭載して運ばれた絵はがきである。
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LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」は、フリードリッヒスハーフェンで1928年9月18日に初飛行を行い、フランクフルト、マインツなどオーストラリア、ドイツ各地を巡航し、10月にアメリカ行きが計画された。
10月11日、前日の雨とは打って変わった晴天のフリードリッヒスハーフェンを午前8時に出発した。
翌日、バルセロナで郵嚢を投下し、夕刻ジブラルタルからマディラ諸島へ向けて大西洋へ進んだ。
途中 低気圧に遭遇し、揺れのため朝食中のテーブルからプレートやカップが床に落ち、キッチンの棚から皿が落ちて割れたが、もっと深刻なトラブルも発生していた。
左翼の水平安定板近くの外板に亀裂が生じたのである。
暴風雨のなか、志願した作業員達は命綱のみで身を乗り出して数時間にわたる亀裂縫合を行ったのである。
アメリカ海軍に高速艇の救援を要請したが、この無線の応答は「救援艦艇の派遣は不可能」というものであった。
15日18時前後にニューヨーク郊外のレークハーストに到着した。
(飛行時間約112時間。出発地との時差6時間)
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この絵はがきは、ニューヨークで投函され、飛行船の発着地レークハーストで搭載され、ドイツ南部ボーデン湖畔のフリードリッヒスハーフェンに届けられたものである。
ニューヨークから発信され、オーストリアのウィーン宛で10月21日の消印が押されている。
「ドイツのツェッペリンLZ-127の大西洋横断第一回東航で郵送されたものである。レークハースト 」と小さなシールが貼られ、ツェッペリン飛行船の図柄の入った「グラーフ・ツェッペリンによる米・独初飛行の航空郵便」のスタンプが押されている。
日付印は1928年10月28日である。
裏にはフリードリッヒスハーフェン局の11月1日のスタンプが押印されている。
この絵はがきの図柄は、当時のアメリカ合衆国エアメールルートの地図である。
まだまだエアメールの利用できるのは限られた地域に限られていたことが判る。
この翌年、LZ-127「グラーフ・ツェッペリン」はは世界一周の壮途に壮途に向かうのである。
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