2005年07月04日
(生い立ちの記:15) コンピュータIBM1620
入社した翌年、M社はS社・N社と合併した。
Y・K・H・S・Nと5つの造船所を有効に活用するために本社に船舶技術部・船舶開発部などが置かれることになり、H造船所からも基幹要員が転勤していった。
その当時、本社とN造船所にコンピュータが導入されており、そのほかに東京地区の系列会社の大型コンピュータも利用できることになっていたようである。
コンピュータも、やっと第一世代の真空管からトランジスターの第二世代に移行しつつあった。
N地区のコンピュータが最新式の大型にリプレースされることになった。
その当時、コンピュータはユーザ会社に売れるようなものではなく、常に白衣を着たエンジニアが、24時間完全看護で面倒を見なければならない代物であった。
従って、それまでN造船所にあった中型(小型?)コンピュータもレンタル契約であった。
コンピュータの所有権はメーカーにあり、ユーザ会社は4〜5年契約でレンタルし、使用料を支払うのである。
従って、その時点で返却しても残期間分返却されるわけでもないので、お古をH造船所に移設することになった。
これが「IBM1620」であった。
数年前、IBM社はシンクパッドのiシリーズに1620という型番を付けたらしいが全然別物である。
このあたりを述べるときりがないので、ハードディスクもプリンタもなく、入出力が紙テープであったと言うことに止めておこう。
メモリは導入後増設して6KW(!!)相当、CRTディスプレイはキャラクターディスプレイさえなかったのである。
挿絵は、後年のミニコンピュータ端末であるが、端末の手前に見えるのが紙テープ装置である。
IBM1620の演算能力はミニコンピュータに較べると桁違いに貧弱なものであった。
しかし、最初につきあったコンピュータなので愛着があった。
懐かしいマシンである。
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