2005年06月19日
(客船のポスター:12) リバイアサン
ユナイテッド・ステーツ・ラインの「リバイアサン」のポスターである。
後年の「アメリカ」や「ユナイテッド・ステーツ」と同じ紺・白・赤のファンネルマークが印象的に描かれており、世界最大の客船という字句が誇らしげである。
この船は、NDLと並ぶドイツ海運界の名門、HAPAG(Hamburg America Line)の3大巨船の一隻「ファーターラント」の後身である。
「ファーターラント」は、第一次大戦開戦のときニューヨークに停泊中であった。
当時アメリカは中立の立場をとっていたが、ドイツが無制限潜水艦戦を宣言した直後、対独宣戦布告を行い、その結果「ファーターラント」は接収され、米海軍の兵員輸送船「リバイアサン」として北大西洋を忙しく往復した。
同船は戦後、賠償船としてアメリカに引き渡され、出来たばかりのユナイテッド・ステーツ・ラインが運航することになった。
このため、兵員輸送船から客船に戻し、AB船級を取得するための改造工事が必要になったが、必要な図面を建造所のブローム&フォスから取り寄せようとしたところ、100万ドルという法外な代価を要求された。
のちに「ユナイテッド・ステーツ」を設計するウィリアム・F・ギブスが測量技師を動員して、二重底・ディープタンクからクローズネストまで実船を測量し数千枚の図面を書き上げてしまった逸話が残されている。
改造後の「リバイアサン」の総トン数はポスターに掲げられているようにアメリカンビューローによって59956総トンと認定された。
「ファーターラント」としてブローム&フォスで竣工したときの総トン数が54282トンであったので、主船体が新造時そのままにしてはこの総トン数の違いは大きい。
これは各国の船級協会規則の差によるものと考えられる。
基本的には国際共通のはずであるが現在でも多少、数値の差が見られる。
相互に調整はされているが、完全に共通化するとそれぞれの船級協会のメリット、ひいては存在意義にも関わってくるので微妙な問題でもある。
ABS(アメリカン・ビューロー・オブ・シッピング)の測度では総トン数が大きめになると聞いたことがあるような気がする。
初めまして。
IVYおじさんのIVY的生活の掛川です。
船旅にコメントをお寄せいただきありがとうございます。
早速に貴殿のホームページから、こちらのブログに、
寄せていただきました。
本館のホームページはメニューが多いのに驚きました。
どこから読んでよいのやら、これからが楽しみです。
船旅をUPしましたら、早速に貴殿のような方から、
コメントを頂き感激しております。
クルーズ暦も長く大ベテランでおられるのですね。
私も「ふじ丸」に乗船したのが縁で、
mopasから会員誌「海」が送られてくるようになりました。
バックナンバーも揃えてあります。
今度、もし乗れたら、夏に甲板でバイキング昼食を、
食べるのを楽しみにしております。
ブログの相互リンクをお願いできますでしょうか。
それではまた。