2005年06月04日

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(飛行艇の時代:6) ショート・エンパイア

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1930年前後の一時期、大型長距離輸送は飛行艇でしか実現できないと考えられていた。

1934年にイギリスで、日の沈むことのない大英帝国域内相互のエアメールを追加料金なしで届けるというエンパイア・エアメール・プロジェクトにより計画されたのが、このエンパイア飛行艇である。

その年にインペリアル航空向けに、新設計の4発大型飛行艇が28艇発注された。

写真の「カノパス」(G−ADHL)は、1936年7月4日に進空した第一号艇である。
10月末にはイタリア半島の長靴の踵にあたるブリンジシとエジプトのアレキサンドリアをむすぶ路線に就航している。

エンパイア飛行艇の艇毎の固有名詞は全て ”C”で始るのでCクラスと呼ばれた。
ショート社の社内名称は S23型である。

サザンプトンには、エンパイア・ボート(!)群の発着場が設けられ、1938年になるとここからインド・南アフリカ・オーストラリアなどへ毎日フライング・ボートが飛び立って行った。

艇内には郵便物と乗客22名を乗せたが、トイレットが2箇所あるほかプロムナードやサロンも設けられていた。

Cクラス飛行艇は44艇作られたと言われているが、この数字には S26G型・S30C2型も含まれる。

軍用のサンダーランドは、エンパイアをベースに設計されたものである。

サンダーランドの民間型はサンドリンガムと呼ばれているが、紛らわしい話ながら「飛行艇の活躍した頃」の3回目に掲載したようにインペリアル航空の後身、BOACでは輸送型サンダーランドも使用されている。

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