2005年06月02日

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(客船のポスター:4) コルンブス

Poster2.jpg

北ドイツロイドのポスターである。

画面には「北ドイツロイド、ブレーメン」と大きく社名が表示されている。

描かれている船は、ブレーメンでもオイローパでもなく、コルンブスである。
ブレーメン・オイローパの外観上の特徴は、低く太い煙突と上部構造前端部を包む大きな曲面であるが、このポスターのブリッジフロントは平面である。

この船はダンチヒのシーシャウ造船所で1914年に起工されヒンデンブルクとして建造中であったが、第一次大戦で工事を中断されていたものを、戦後の1924年にコルンブスとして竣工させたものである。

3万トン級であるが、内装や居室のアレンジメントなどで新しい試みが取り入れられ戦後の北ドイツロイドを代表する船としてブレーマーハーフェン・ニューヨーク間に就航した。

北ドイツロイドは1926年にコルンブスと同じ3万総トンの客船を起工するが、後に5万総トンに変更された。
これがブレーメンとオイローパである。

ブレーメンとオイローパは画期的な名船であるが、当時はコルンブスを含めた3隻で北大西洋航路に就航していた。

この3隻を同型の姉妹船のように扱ったポスターが複数製作された。
ニューヨークの摩天楼をバックに、3隻をオレンジ色で描いたものや、舷々接するようにデフォルメした3隻を船首側から朱色で描いたもの、それに港に停泊中の3隻を、青の背景に左舷前方からこれも朱色で描いたものがある。
いずれも船体を赤く表現しているのが面白い。

これらのポスターは、よく見ると上部構造前面に曲面と平面の違いがあったり、わずかに船体寸法が違ったりしているが一見同クラスに見えるように描かれている。

余談ながら、北ドイツロイドの紋章は鍵と錨を組み合わせたものであるが、鍵はブレーメン市の市章であり、これに海運の象徴である錨を組み合わせたものである。


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