2005年05月30日
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(飛行艇の時代:5) ボーイング314「クリッパー」
この写真は、ホノルルに到着したパン・アメリカン航空のボーイング314飛行艇「ホノルル・クリッパー」のポスターである。
ハワイの風物や人物を描くことで有名であった画家、フランク・マッキントッシュの作品と言われている。
パン・アメリカンは第二次世界大戦の始る少し前に、ボーイング314飛行艇によって世界を結ぶ航空網を展開した。
初号機(登録記号:NX18601)は1938年に初飛行しているが、そのとき垂直尾翼は1枚であった。
蔵書に、その状態の鮮明な写真が掲載されているが、大きな艇体に較べて垂直安定板がいかにも小さいと感じる。
その後、垂直尾翼を左右に2枚立てたが充分な方向安定性が得られなかったのであろう。後に中心線に原型の尾翼を立て、結局3枚で落ち着いたようである。
(イカロスMOOK「ボーイング旅客機」には、垂直尾翼が2枚の状態の写真も載っている)
艇体は2層になっており、操縦室は2階にあり、客室は階下である。
艇体底部は後方に行くにしたがって上に反りあがっているため、キャビンの床も少しずつステップのついた4つの区画に仕切られていた。
階下には、ダイニングやカクテルラウンジ、男女別の更衣室兼トイレットも用意されていた。
当初は82席であったが、窮屈なので昼間74席・夜間50席に改められた。
ハワイ航路のような長距離では30人以下に押さえていた。
乗員定員はパイロット3名、航法士1・機関士・無線士各1名、キャビン乗務員4名の10名であった。
ボーイング314飛行艇は合計12機作られ、パン・アメリカンのほか、BOACにも売却されたほか、米海軍でも物資輸送に活用した。
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