2005年05月30日

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(生い立ちの記:APPENDIX-1) ガジュマルと零式水観

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「(生い立ちの記:5)善光寺」の記述の中に、『淡水にも零式水上観測機というミズスマシのような単浮舟複葉複座の水上機が何機か分駐していた・・・』と書いた。

その関連の追補である。

上の写真は淡水河畔のガジュマルの木陰である。
枝からひげの様な気根が下がってきて、それが地上に届くと根を張って幹となるから一株で鬱蒼とした木陰を作るのである。

戦前、このあたりに郵便局があった。

その裏手の河で零式水上観測機が発着していた。
長い助走で機速を上げて、飛び上がるので長い航跡が残っていた。

海軍では「零式水観」とか、さらに略して「零観」とか呼んでいたが、一般の人は「ゲタバキ」とか「ミズスマシ」と言っていた。

何時だったか、一機が転覆沈没したことがあった。
褌一本の水兵が潜って機体にロープをかけて引上げたのを真近で見たことがある。
着水時の進入角がちょっと深すぎて水面に突っかけてしまったのであろう。

下の写真はそのレイカンである。

前面に風除けガラスはあるが吹曝しの2人乗りである。
武装は7.7mm固定銃2丁と、観測員用の7.7mm旋回銃1丁である。
もともと艦隊同士の砲撃戦の弾着を上空から無線で報告し照準を補正することが主目的であるが、飛行場のない所でも使えるので偵察や連絡にも重宝されていたようである。

複葉で大きなフロートもつけているので速度は出ないが、旋回性能を活かして空中戦でも戦果を挙げている。

予備学生出身の西脇大尉は5機以上撃墜し、エース・リストにあがっているが、その戦果は全て零式水観によるものである。

淡水にいた零観が何処の部隊かと航空隊の編成・解隊・原駐基地やその移動を調べたが、淡水や台北に駐留する部隊名は見当たらなかった。

台湾の場合、比島や蘭印など南方を正面として台南・高雄など台湾南部、あるいは中国本土に備えて新竹州などに航空隊が置かれていたようである。

観測機というのは地上部隊あるいは洋上の艦隊を支援するもので、観閲式などでない限り小隊・中隊で編隊飛行するような飛行機ではない。
編成上は何処かの部隊の機体が、必要に応じて数機程度分駐していたのであろう。

戦時中の部隊編成や駐屯地は頻繁に変わるので把握しにくい。

いま、台湾の国内線ターミナルとなっている台北の松山飛行場からは、戦時中「中攻」と呼ばれた96式陸上攻撃機が編隊を組んで、重慶方面に出撃していたと聞いているがどこの航空隊か判らない。

Comment on "(生い立ちの記:APPENDIX-1) ガジュマルと零式水観"

昨日は拙ブログに訪問いただき、ありがとうございます。
とても素敵なHPとブログですね。感服いたしました。
やはり、テキストベースの拙ブログと比べて洗練されているな〜と思いました。
掲載記事から想像するに、私の父親世代でいらしゃるのかなぁ、とご推察申し上げます。

淡水基地の零式水上観測機については、書斎に参考資料が無く、書庫(自宅とは別の場所)にありますので、もう少々お時間を下さい。

台湾発の九六式陸上攻撃機については、概略程度を近日中にブログにアップしてみます。通常、航空隊単位で掲載しているのですが、作戦単位でやってみますので、お待ち下さい。

そういえば、以前100円ショップで、モノラルのベルリン・フィルでフルトベングラー指揮のCDを20枚くらい買ったのを思い出しました!!